(not) HEROINE movies ノットヒロインムービーズ

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          (not) HEROINE movies ノットヒロインムービーズ
          第二弾作品
          『よだかの片想い』
          原作:島本理生『よだかの片想い』(集英社文庫刊)
          監督:安川有果
          主題歌:角銅真実「夜だか」(ユニバーサル ミュージック)
          音楽:AMIKO
          出演:松井玲奈、中島歩
                藤井美菜、織田梨沙、青木柚、手島実優、池田良、中澤梓佐
                三宅弘城
          企画協力:グリック、SPOTTEDPRODUCTIONS
          制作プロダクション:ダブ / 配給:ラビットハウス
          2022年9月16日(金)新宿武蔵野館ほか全国公開
          ©島本理生/集英社 ©2021映画「よだかの片想い」製作委員会
          
          (not) HEROINE movies ノットヒロインムービーズ
          第二弾作品
          『よだかの片想い』
          原作:島本理生『よだかの片想い』(集英社文庫刊)
          監督:安川有果
          脚本:城定秀夫
          主題歌:角銅真実「夜だか」(ユニバーサル ミュージック)
          音楽:AMIKO
          出演:松井玲奈、中島歩
                藤井美菜、織田梨沙、青木柚、手島実優、池田良、中澤梓佐
                三宅弘城
          企画協力:グリック、SPOTTEDPRODUCTIONS
          制作プロダクション:ダブ / 配給:ラビットハウス
          2022年9月16日(金)新宿武蔵野館ほか全国公開
          ©島本理生/集英社 ©2021映画「よだかの片想い」製作委員会
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劇 場 情 報

予告編

イントロダクション

島本理生原作、“遅い初恋”を描いた傑作恋愛小説を、
監督・安川有果×脚本・城定秀夫でついに映画化。

第159回直木三十五賞を受賞し、これまでも多くの作品が映画化されてきた小説家・島本理生が2012年に発表した傑作恋愛小説に、主演の松井玲奈自身が惚れ込み、長年熱望していた映像化がついに実現した。『Dressing Up』などの作品を手掛け、本作で長編映画2本目となる監督・安川有果と、今や映画業界で引っ張りだこの城定秀夫が脚本としてタッグを組み、原作本来の魅力を、映画としてさらに引き立てる。

松井は、本作との特別な関係ゆえの、ひとかたならぬ想いを抱いて撮影に臨んだ。その想いは、松井ならではの儚くも力強い、凛とした雰囲気と相まって、陰を秘めながらも、なんとか強くあろうともがくアイコを、より一層魅力的な女性にしている。

飛坂を演じた中島歩は、ともすると身勝手に見えてしまいそうなキャラクターを、自然体で愛嬌があり、なぜか好感を持ってしまう好青年として演じるその演技力で、若手俳優陣の中でも際立った存在感を放っている。他にも、出版社に勤務するアイコの友人役に織田梨沙、研究室の仲間役に藤井美菜、青木柚など、急速に注目度を高めている若手俳優が集まった。

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ストーリー

自分と距離を置くアイコ。まっすぐ心に入ってくる飛坂。
近づくほどに苦しくて、遠のくほどに愛おしい――。

理系大学院生・前田アイコ(松井玲奈)の顔の左側にはアザがある。幼い頃、そのアザをからかわれたことで恋や遊びには消極的になっていた。しかし、「顔にアザや怪我を負った人」をテーマにしたルポ本の取材を受けてから状況は一変。本の映画化の話が進み、監督の飛坂逢太(中島歩)と出会う。初めは映画化を断っていたアイコだったが、次第に彼の人柄に惹かれ、不器用に距離を縮めていく。しかし、飛坂の元恋人の存在、そして飛坂は映画化の実現のために自分に近づいたという懐疑心が、アイコの「恋」と「人生」を大きく変えていくことになる・・・。

本作は、アイコと飛坂との恋愛を切ない距離感を感じるラブストーリーのみならず、アイコが自分の人生と向き合い、前に進んでいく様をも繊細に描き出す。そんなアイコの姿は、誰もが抱える弱さと響き合い、その弱さを新しい視点で見直し、アイコと共に一歩前へ踏み出す力を与えてくれるはずだ。世代や性別を超えて幅広く、静かに、でも確かに、心に響く傑作が誕生した。

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キャスト

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松井玲奈
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松井玲奈 Rena Matsui

1991年、愛知県出身。

2008年デビュー。主な映画出演作に、『はらはらなのか。』(17/酒井麻衣監督)、『21世紀の女の子』(19/坂本ユカリ監督)、『女の機嫌の直し方』(19/有田駿介監督)、『今日も嫌がらせ弁当』(19/塚本連平監督)、『幕が下りたら会いましょう』(21/前田聖来監督)など。またNHK連続テレビ小説「まんぷく」(18) や「エール」(20)、TBS火曜ドラマ「プロミス・シンデレラ」(21)にレギュラー出演。映画・TVドラマ・舞台など役者として活躍するだけでなく、小説集 「カモフラージュ」(集英社)にて小説家デビューを果たし文才も高く評価される。その後もエッセイ集 「ひみつのたべもの」(マガジンハウス)、小説「累々」(集英社) などを執筆。

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中島歩
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中島歩 Ayumu Nakajima

1988年生まれ、宮城県出身。

舞台『黒蜥蜴』のオーディションで200名の中から選ばれ、2013年に同舞台で俳優デビュー。主な出演作に、映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』(18/冨永昌敬監督)、『いとみち』(21/横浜聡子監督)、Netflix『浅草キッド』(21/劇団ひとり監督)、『偶然と想像』(21/濱口竜介監督)、『愛なのに』(22/城定秀夫監督)などがある。第35回「高崎映画祭」では最優秀助演俳優賞を受賞した。

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藤井美菜
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藤井美菜 Mina Fujii

1988年、新潟県出身。

2006年『シムソンズ』(佐藤祐市監督)で映画デビュー。2012年より韓国での活動を開始し、韓国バラエティ番組「私たち結婚しました 世界版(原題)」に出演するなど人気を博する。2014年、映画『女子ーズ』(福田雄一監督)に出演。2018年、キム・ギドク監督作映画『人間、空間、時間、そして人間(原題)』で主演を務め、第68回ベルリン国際映画祭パノラマ部門に招待。韓国を中心に、アジアや世界で活躍する。

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織田梨沙
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織田梨沙 Lisa Oda

1995年生まれ、千葉県出身。

2012年よりモデルとして活動を開始。2013年に入ると女優としても活動を始め、2017年公開の映画『STAR SAND -星砂物語-』で初の主演を務めた。近年の主な出演作品に、映画『生きてるだけで、愛。』 (18/関根光才監督)、『コンフィデンスマンJP』シリーズ(19,20,22/田中亮監督)などがある。

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青木柚
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青木柚 Yuzu Aoki

2001年生まれ、神奈川県出身。

主な出演作に『14の夜』(16/足立紳監督)、『アイスと雨音』(18/松居大悟監督)、『うみべの女の子』(2021/ウエダアツシ監督)、『MINAMATA』(2021/アンドリュー・レヴィタス監督)、『スパゲティコード・ラブ』(2021/丸山健志監督)など。2021年は、ドラマ「きれいのくに」(NHK)で主演を務め、「カムカムエブリバディ」(NHK)ではヒロインの弟・大月桃太郎役を好演。公開待機作に、主演映画『まなみ100%』(川北ゆめき監督)がある。

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手島実優
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手島実優 Miyuu Teshima

1997年生まれ、群馬県出身。

2019年度キネマ旬報新人女優賞ノミネート。インド・マドラスインディペンデント映画祭最優秀主演女優賞受賞。映画や舞台、CMなど幅広く活躍。近年の主な出演作品に、配信ドラマ『東京ラブストーリー』、ドラマ×マンガ『特攻兵の幸福食堂』(NHK-BSプレミアム )、映画『赤色彗星倶楽部』 (17/武井佑吏監督)、『カランコエの花』(18/中川駿監督)、『かく恋慕』(19/菱沼康介監督)、『スウィート・ビター・キャンディ』 (19/中村祐太 郎監督)、『愛のくだらない』(21/野本梢監督)がある。2022年は『フタリノセカイ』(飯塚花笑監督)、『猫は逃げた』(今泉力哉監督)、『世界の始まりはいつも君と』(磯部鉄平監督)などに出演。

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池田良
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池田良 Ryo Ikeda

1978年生まれ、愛知県出身。

大学卒業後、外資系コンサルティング会社に就職するが27歳の時に俳優を志す。アメリカのステラ・アドラー・スタジオ・オブ・アクティングに2度の留学を経ながら数々の映画・ドラマ・舞台・CM等に出演。映画『恋人たち』(15/橋口亮輔監督)では第30回高崎映画祭で優秀新進俳優賞を受賞。近年の主な出演作に映画『ミッドナイトスワン』(20/内田英治監督)、『さんかく窓の外側は夜』(21/森ガキ侑大監督)、『マイライフ、ママライフ』(22/亀山睦実監督)、『セクシャルドライブ』(22/吉田浩太監督)、『マイスモールランド』(22/川和田恵真監督)、ドラマ「にじいろカルテ」(21/EX)、舞台「タイトル、拒絶」(21/山田佳奈演出)などがある。

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三宅弘城
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三宅弘城 Hiroki Miyake

1968年生まれ、神奈川県出身。

1988年より「劇団健康」(現:ナイロン100℃)に参加し、主要メンバーとして活躍する他、M&Oplays「鎌塚氏」シリーズ(11年~19年)では主演を務める。舞台のみならず、映画、ドラマにも幅広く出演。2009年より、NHK Eテレ「みいつけた!」では、イスの応援団長“みやけマン”としても活躍する他、様々なキャラクターの声優を務めている。また、パンクコントバンド「グループ魂」では“石鹸”の名でドラムを担当するなど、幅広く活動。近年の出演作に、ドラマ「俺の家の話」(21/TBS)、映画『孤狼の血LEVEL2』(21/白石和彌監督)、舞台「鎌塚氏、羽を伸ばす」(22/倉持裕演出)など。公開待機作に『さかなのこ』(22/沖田修一監督)がある。

スタッフ

安川有果 監督
安川有果 監督

1986年生まれ、奈良県出身。

2012年、CO2(シネアスト・オーガニゼーション・大阪)の企画募集で選出され、『DressingUp』を監督。第14回TAMA NEW WAVE にてグランプリと最優秀主演女優賞を獲得した後、2015年に全国の劇場で上映され、第25回日本映画プロフェッショナル大賞の新人監督賞を受賞した。その後はオムニバス映画への参加や舞台作品などを経て、長編第2作『よだかの片想い』(2021)を監督。東京国際映画祭のアジアの未来部門に選出される。

城定秀夫 脚本
城定秀夫 脚本

1975年生まれ、東京都出身。

武蔵野美術大学在学中から8mm映画を制作。同校卒業後、フリーの助監督として成人映画、Vシネマなどを中心にキャリアを積む。2003年に映画『味見したい人妻たち (押入れ)』で監督デビューし、ピンク大賞新人監督賞を受賞。その後Vシネマ、ピンク映画、劇場用映画など100タイトルを超える作品を監督。2016, 2017 2018 2019年、4年連続で<ピンク大賞>において「作品賞」を受賞。2020年公開の映画『アルプススタンドのはし方』がミニシアター系では異例の大ヒットを記録。初日満足度1位 (Filmarks調べ)、TAMA映画祭特別賞、「キネマ旬報」ベスト・テン第10位、「映画芸術」ベストテン第3位、など数々の映画賞を獲得した同作では、ヨコハマ映画祭日本映画プロフェッショナル大賞で監督賞を受賞。2022年には『愛なのに』、『女子高生に殺されたい』、『ビリーバーズ』(7月8日公開予定)、『夜、鳥たちが啼く』(12月9日公開予定)ほか、公開待機作品や撮影中の作品などを含め多数の作品を手掛けている。

島本理生 原作
島本理生 原作:
「よだかの片想い」
(集英社文庫刊)

1983年生まれ、東京都出身。

1998(平成10)年、15歳の時に「ヨル」が「鳩よ!」掌編小説コンクール第二期10月号に当選、年間MVPを受賞する。2001年に「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。2003年には『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を史上最年少で受賞した。2005年『ナラタージュ』が第18回山本周五郎賞候補となるとともに、「この恋愛小説がすごい! 2006年版」(宝島社)第1位、「本の雑誌が選ぶ上半期ベスト10」で第1位を獲得しベストセラーとなった。さらに2015年に『Red』で第21回島清恋愛文学賞を受賞、そして2018年『ファーストラヴ』で第159回直木三十五賞を受賞した。

その他の主な著書に『生まれる森』(04)、『一千一秒の日々』(05)、『あなたの呼吸が止まるまで』(07)、『クローバー』(07)、『君が降る日』(09)、『あられもない祈り』(10)、『アンダスタンド・メイビー』(10)、『よだかの片想い』(13)、『週末は彼女たちのもの』(13)、『夏の裁断』(15)、『イノセント』(16)、『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』(17)、『あなたの愛人の名前は』(18)、『夜 は お し ま い』(19)など。2022年秋『憐憫』刊行予定。

角銅真実 主題歌
角銅真実 主題歌:
「夜だか」

長崎県出身。東京藝術大学 音楽学部 器楽科 打楽器専攻 卒業。マリンバをはじめとする様々な打楽器、自身の声、言葉、オルゴールやカセットテープ・プレーヤー等、身の回りのものを用いて自由な表現活動を国内外で展開中。CM・映画・舞台音楽、ダンス作品や美術館のインスタレーションへの楽曲提供・音楽制作も行っている。2020年、初めて「うた」にフォーカスしたアルバム『oar』(ユニバーサル ミュージック)を発表。近年は原田知世や石若駿の作品に作詞家として歌詞を提供するなど、言葉にも表現領域を広げている。

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コメント

※敬称略・50音順

島本理生の生み出した、恋でぼろぼろに傷つき、恋で自分を知る女の子。むずかしい恋だとわかっていても、飛び込まずにはいられない。
松井玲奈が浮かび上がらせたアイコの輪郭を、安川有果は光の中に映していく。

青柳美帆子
ライター
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秋鹿えいと
漫画家

踏み出すのが怖い、という感情を持つのは自然なこと。でも、一歩進んでみれば違う世界が見えてくる。アイコがときに涙を流しながらも、しなやかな強さを宿して踊る様は、観る者の背中を優しく押してくれる。

池田園子
株式会社プレスラボ代表取締役

「女性監督ならではの視点」なんて野暮な言葉だ。安川有果という監督が捉える感情には、心の芯を震わす力があり、繊細さに寄り添う姿勢はいつしか攻撃的な気味悪さに変わっている。 登場人物たちが「二本の足で立つ」その瞬間が描かれている。それがどうにもこうにも美しかった。カッコよかった。
絶対に映画館で観届けて欲しい。

奥田裕介
映画監督

光を教えてくれるのが闇であるように、マイノリティという経験は「ない方がよかったが、あってよかった」と私にいつも思わせる。
きっと、アイコの闇は消えない。だがそれは、アイコのそばに光がこれからありつづけることを意味している。ラストシーンのかがやきは、彼女の美しさそのものだった。

太田尚樹
LGBTエンタメサイト「やる気あり美」編集長

人間の目は全ての光を見ることができない。紫外線や赤外線などをのぞく、ごく限られた可視域の世界の中でさえ、どれほど自分は「見えているのか」。そのことに気づかせてくれる、鏡のような物語。

苅部太郎
写真家

ざらざらのカカトを軽石で擦って磨き上げるように、 切ない恋は少女をオトナへと磨き上げてくれる…。
「おクズ様は女の人生の軽石ですなぁ」と 心を前向きにしてくれるステキな映画でした。

神崎メリ
恋愛コラムニスト

きれいな俳優が「顔にアザのある女性」を演じる事に期待と不安がありました。
主人公アイコは恋に臆病で、だけど好きという気持ちにまっすぐな強い女性です。私も、一方的な視線を向けられるのではなく、真剣に誰かと向き合う恋がしたいと思いました。

神原由佳
アルビノ当事者

赤の他人のインスピレーションの源になるというのはわくわくするような体験でもあり、とてもつらい体験でもあります。この映画は、そうした経験を芸術作品のモデルになる人の視点から繊細なタッチで描いています。

北村紗衣
研究者

私たちは他者を通して自分を知る。 「あるがままの私を受けいれ愛してほしい」と願う。 けれど他者によって自分を規定する必要はない。 私が私を受け入れ、私が私を愛する。 そんな自分の愛し方を、優しくも凛とした強さで伝えてくれる映画です。
ぜひ見てほしい。

北村年子
ノンフィクションライター

この映画は「ありのままの自分を愛そう」と声高に謳わない。 こんなに傷つけられてしまう恋愛ばかりのこの世界で、 否応なくルッキズムに縛られてしまうこの世界で、「ありのままの自分」が脆弱な存在になりえるこの世界で、 そんなメッセージはときに、欺瞞の響きを伴いさえするだろう。
安川有果はひとりの女性の〈片想い〉に、多くの〈想い〉を込めた。 ひとつのドラマを跳び越えて、そこには映画作家として、映画が内包してきてしまった非対称性や暴力への自覚的な意思表明も含まれている。 シスターフッドを伴奏にして見えない羽根を揺らす女性たちの舞いが途切れるその瞬間まで、眩く切実な〈想い〉のすべてを決して取り零してはいけない。

児玉美月
映画執筆家

好奇の目より、それを叱る言葉の方が痛いとか。「びわ湖」が刺さるとか。当事者の多様なリアルが細やかに織り込まれ、観る者の傍らに “気づき”をそっと置いていってくれる。決して押し付けることなく。

下村健一
ジャーナリスト

誰かと深く関わりたいと思った時、より深く見つめるのは自分の内面なのだ…と、どんどん表情が変わっていくアイコと一緒に、感情のジェットコースターに乗っている気分でした。
観終わった後は温かな気持ち。 素敵な気持ちでした。
沢山の方に届いてほしい作品です。

鈴木望
『青に、ふれる。』漫画家

「“見た目”と正直に向きあえば、人生の次の扉が開かれる。」 アイコを通して、誰もがそう実感できる映画です。

外川浩子
NPO法人マイフェイス・マイスタイル代表

数年前、当事者の方々の交流会で演奏し、短いながら皆と話をしてみると、皆が「想像以上に」明るい事に驚いた。差別区別のない私だと思っていたのだが「想像以上に」という感覚を私は恥じた。これこそ見た目を差別してきた感覚だったからだ。映画を見たあとあの頃の私の恥ずかしさが思い起こされた。
誰も当事者本人にはなれないが、この映画を機に少しずつあなたの「見る目」が変わればいい。以前の私のように。
人は仕事もするし恋もする。あなたも当事者も同じ社会に立っている。とても美しい映画をありがとう!

Nabe
ロックバンド「騒音寺」Vocal

かすか不安や、かすかな疑い、その積み重ねによって得られる、ともすれば切り落とされてしまいそうな細やかな感情のひとつひとつが伝わってくる。そんな映画でした。

西森路代
ライター

じんわりとしみ込んできて心の中にソット足音を残されたような気がしました。世の中には白黒をつける事が出来ない事がある中彼女が生きている様がよかった。 そして周りで生きている俳優さん達の無理のない居方心地がよかった。 安川さん鎌倉の上映会で会えて良かったね。映画を愛してくれてありがとう。

倍賞千恵子
俳優

「マイノリティ性」を通して当事者が世界を見ることと、世界がマイノリティ性を通して当事者を見ること。カタルシスに他者が踏み入るときの足跡、その足跡の粗さ、それでもあなたが居心地のいい場所を選ぼうと思えるなら。

はらだ有彩
文筆家

控えめに生きてきた瓜実顔の女は、曖昧な恋愛に揺らぎ、愛するゆえの孤独を感じる。それは自然な感情だ。凛として乱れる前にみずからをとどめる強さ。ラストの夕陽を指した彼女の姿は、美しくて走馬燈に現れそうだ。

真魚八重子
映画評論家
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「でも、美人でしょう」
「でも、頭がいいのでしょう」
「でも、お金があるのでしょう」
「でも、家族に恵まれているのでしょう」
「でも、あなたは主人公になるのでしょう」
「でも、顔にアザがあるでしょう」
「でも」の全部を無視できればいいのに。
アイコの心、選んで産み出した光のことだけ大好きになりたい。それは誰にもできない。
選べなかった全てと、選んできた全てには関係があるから。
「でも」「だから」みたいな、すべてをひっくるめて人を大好きになったり、大嫌いになったりすることしかできないなと感じる映画でした。

majocco
イラストレーター

開始13分で主人公のアイコ(松井玲奈)と一緒に号泣し、そのあとも数えきれないくらい泣かされたけれど、ただの感動作ではなくすべての個人を悩みから解放する作品で、とか色々言ってきたけれど、めっちゃ好き。めちゃくちゃ好きな映画でした。

水野敬也
作家/「顔ニモマケズ」著者

増村保造からセリーヌ・シアマの遙か先まで走っていく怒涛の100分。 クラシックな恋愛映画の濃密さに、ルッキズム、当事者と演技、表現の加害性など、あらゆる現代の問題提起がぶち込まれて、全く新しい映画に変容する。 これが僕の今年のベストワンです。

森直人
映画評論家